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パニック障害の長期的予後について/家族のための注意点

パニック障害の長期的予後について

長期治療という点については研究報告はまだ極めて少なく、標準的治療を推奨できるだけの十分な情報が得られていないのが現状です。ある長期の予後調査によれば、パニック障害は慢性化したり、再発を繰り返すものが多く認められ、生活の質(quality of life)も気分障害(うつ病)と同程度である事が示されています(Markowitzら:Arch Gen Psychiatry46:984-992,1989)。人によって経過と予後はさまざまな形をとり、ある人は数年間発作が出現しない時期をはさんで発作の時期をを繰り返し、別の人は症状が持続する事もあります。症状限定性発作(軽いパニック発作)は、慢性化してくると頻度が増す事が多く見られます。

一般的な長期予後として、約30〜40%の患者が健康を維持し、約50%が改善しても症状が残り、残りの10〜20%は同じか若干悪化する事が示されています(Kaplan & Sadock:SYNOPSYS OF PSYCHIATRY 9th edition:P.606,2003)。一方、発症後7年目の転帰において、治癒率が14.0%との報告(Noyesら:J Nerv Ment Dis181:529‐538,1993)や、発症後平均3.9年目の転帰において、治癒率14.4%、寛解期のため定期通院不要なものは22.7%であるとの報告(竹内龍雄:パニック障害の経過・予後.パニック障害,新興学術出版社,東京,67−77,2000)もあります。

また再発や再燃予防の為に、自己判断で服薬を中断をしない事が重要です。例えばある研究において、3ヶ月の維持療法を経たグループの内、パロキセチンを服薬継続した群においてさらに3ヶ月後の再燃率が5%だったのに対し、服薬を中止した群では再燃率が30%も認めたという報告もあります(Burnhamら:ANCP:1995)(図-9.)。別の報告では、イミプラミンによる6ヶ月の急性期治療後、服薬を中止した場合83%の再燃率であったのに対し、半量をさらに1年間継続後に中止した場合の再燃率は25%でした(Mavissakalian Mら:Am J Psychiatry149:1053-1057,1992)。維持療法は約2年間は治療期間が必要と言われています。

予後の転帰不良因子(予後の悪化に影響する事柄)として、(1)他の精神障害(うつ病・人格障害・アルコール・薬物依存など)の合併 (2)初診時の広場恐怖や不安の重症度(一方パニック発作自体の重症度は予後に影響しない) (3)発症から初診時までの期間が長期、などが挙げられます。

家族のための注意点

行動療法の中心となる治療です。広場恐怖(恐怖症性回避)を引き起こす場所・場面に対して、実際直面する事(外的エクスポージャー)により、不安や恐怖感に徐々に慣れてもらう方法と、深呼吸や足踏みジョギング等を患者に促す事で「擬似パニック発作」を誘発する方法(内受容性エクスポージャー)があります。

不安場面に直面すると、一時的に強い不安を経験しますが、最終的には安全な状態に落ち着いていきます。
慣れにより次回からは同じ場面に対して不安や恐怖感が軽減し少しずつ自信がついていきます。実際、場面によって生じる不安や恐怖感の程度が異なるので、患者に不安を感じる場面をリストアップしてもらいます。
次にそれらを不安度の強いものから弱いものへと並べ変え一覧表(不安階層表)を作成してもらいます。もっとも強い不安を感じる場面を100点とし、不安を感じない状態を0点(この点数を自覚的障害単位:SUDという)としてすべての場面に対して評点します(表-9.)。

一般的には中等度の不安場面(SUD40〜50点程度)から練習し、徐々にSUDが高い場面へチャレンジしていくと効果的と言われています。SUDが高い場面に向き合うに当たって、配偶者やパートナー、友人の支えが力になることもあります。曝露療法の治療効果としては、89%でパニック発作が消失したとの報告もあり、薬物療法と同等の効果がある事がわかっています。

 

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