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こころの病気のはなし > 専門編 > パニック障害のトップ > パニック障害について(2-4)

パニック障害と合併する疾患 / 鑑別を要する疾患

パニック障害と合併する疾患(併存症)とは

報告されている大うつ病性障害との合併率はパニック障害を持つ人の50〜60%にも及びます。両方の障害を持つ者の約48%では、うつがパニック障害より先に発症し、約31%は両方同じ年に発症し、約22%はパニック障害がうつ病より先に発症するという報告もあります(Kesslerら:Arch Gen Psychiatry55:801-808,1998)。社交不安障害(社会不安障害)はパニック障害患者の15〜30%に、全般性不安障害は15〜30%に、特定の恐怖症は2〜20%、強迫性障害は10%以下、PTSD(外傷後ストレス障害)は2〜10%と報告されています(Kaplan & Sadock;SYNOPSIS OF PSYCHIATRY:599-600,2003)。

またパニック障害に伴う身体症状は多彩であり「変装の名人」とも称される程です。過敏性腸症候群(パニック障害患者の46%に合併)・頻尿・過呼吸症候群など診断基準に入っていない症状が合併する事も多くあります。ちなみに「過呼吸(過喚気)症候群」とは、不安発作において過呼吸が前景に立つ状態を総称します。パニック障害はもちろん、あらゆる精神疾患・身体疾患が原因で起こるので、即座にこの症状だけでパニック障害と判断しない方が無難です。米国では循環器科クリニックに来院する患者の実に60%がパニック障害を合併(精神科クリニックでは10%)しているとの報告もあります。(APA,DSM-W-TR 精神疾患の診断・統計マニュアル 第4版:420,2001)

 

パニック障害と鑑別を要する精神疾患

パニック障害であると診断する為には、パニック様発作(不安発作とも言います)を引き起こす他の精神疾患ではない事を証明する必要があります。不安発作は大まかに3タイプに分類されます(表-4.)。「パニック発作」は予期しない状況あるいは状況準備性に(ある状況下で必ず起こる訳では無いが、ある程度の割合で)起こる発作です。一方状況依存性発作とは、ある状況下で必ず発作が起こるもので、社交不安障害(社会不安障害)(社会恐怖)・特定の恐怖症・強迫性障害・外傷後ストレス障害・分離不安障害などで起こります。図には表記されていませんが、うつ病や境界性人格障害などでも見られる事があります。

表-4. パニック発作の3型と主な不安障害
  1. 予期しない発作  ― パニック障害
  2. 状況依存性発作  ― 社交不安障害(社会不安障害)
    ― 特定の恐怖症
    ― 強迫性障害
    ― 外傷後ストレス障害
    ― 分離不安障害
  3. 状況準備性発作  ― パニック障害

(American Psychiatric Assosciation,1994より改変引用)

パニック障害と鑑別を要する身体疾患

パニック発作に似た症状を示す身体疾患は表-5.の様に多種多様あります。比較的よく見られる疾患としては、甲状腺機能亢進症・低血糖(糖尿病の治療経過で伴う事が多い)・貧血・不整脈(発作性上室性頻脈など)・月経前緊張症などです。内科など他科の受診歴が無い患者に対しては、上記の様な身体疾患がベースに無いか調べる為に、聴診や触診はもとより、血液検査・甲状腺ホルモン・女性ホルモン・尿検査・心電図・心エコー・胸部レントゲン・脳波などの諸検査が適宜行われます。

表-5. パニック障害の器質的鑑別診断
心血管疾患 貧血  狭心症  心筋梗塞  高血圧
肺疾患 喘息
神経学的疾患 脳血管障害  てんかん  片頭痛  感染症  メニエール病
内分泌系疾患 糖尿病  甲状腺機能亢進症  低血糖症  月経前症候群
薬物中毒 ニコチン テオフィリン  抗コリン剤  コカイン  マリファナ
薬物離脱 アルコール  降圧剤  抗不安剤  催眠薬
その他の状態 電解質不均衡  ビタミンB12欠乏症  全身性感染症

 

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